「茶色」はお茶の色からそう名付けられたのでしょうか。
昔から布の染色素材として茶の煎じ汁が使われていたようです。
それでは現在のお茶のお湯の色は茶色?・・ではない場合が
多いですよね。
普通、煎茶を出した時に出る色は緑色。茶種によっても
違いますね。特に「深蒸し煎茶」を出した時には鮮やかな緑に
出ることも多いものです。
これは本来のお茶の色でしょうか。どうも細かい葉の破片や
微小な粉末がお湯の中に溶け出て緑色を作っているようです。
ためしにこのお湯をしっかりろ過してみることにします。
コーヒーフィルターでもOKです。濾してみると緑色が残って
います。ろ過されたお茶はどんな色かと言うと、
薄い黄色、といった色でしょうか。茶色ではないようです。
でもこのお茶は時間が経てば徐々に茶色に変化していきます。
酸素と触れ合うことで酸化されていくのです。
それでは昔よく飲まれていたようなお茶ではどうでしょうか。
これは「京ほうじ茶」。大きな葉がそのまま乾燥されたような
お茶の形です。葉っぱが茶色なので、いかにも茶色のお湯に
出そうです。
やっぱりそうですね。茶色のお湯の色に出ています。これは
ろ過しなくてもそのままでこんな澄んだ茶色に出ました。
このお茶は製造する時に萎凋(いちょう。酸化すること)して
います。昔の庶民のお茶はこのようなお茶が多かったのです。
やっぱり茶色はお茶の色から来ているのですね。
ちなみに並べたこの3つ。
左から「京ほうじ茶」「ペットドリンクのお茶」「急須で出した煎茶」
それぞれのお茶の色です。急須の煎茶だけがろ過しています。