2008年12月13日
あなたは緑が好き?
お茶を湯飲みに出した時に、お茶の種類によって
お湯の色が違うことがあります。

なぜだろうと思ったことはありませんか?
お茶のお湯の色が違うのは作りの違いによります。
どの部分が違うのでしょうか。
お茶を摘んできたら、熱を加えます。
方法は蒸気で蒸したり、釜で炒ったりします。
蒸気で蒸したら「煎茶」や「玉緑茶」「玉露」などのお茶になります。
現在、ほとんどの日本茶は蒸して作られます。
それに対して釜で炒るお茶が「釜炒り茶」です。
蒸して作るお茶に対してかなり少数派です。
出した時のお湯の色の違いは、第一にこの熱の加え方によって
違ってきます。(他の要素が入る場合もあります)
お湯の色のことを私たち茶業者は水色(すいしょく)と呼んでいます。
最初に蒸す時間の違いによってお茶の形と水色がずいぶん違ってきます。
このお茶は蒸す時間を短めにして作られた煎茶です。

形がしっかりとして、見た目も触れた時も固い感じです。
このお茶を出した時の水色はこのようになります。

やや黄色味が強い色ですね。緑色はあまり感じません。
お茶を出した後のお茶の葉です。
きれいに形が残っています。

それではこのお茶はどうでしょう。
同じ煎茶です。葉の細かい部分が多いように見られます。

このお茶を出してみると・・。

ずいぶんと緑が濃く出ます。さきほどのお茶とだいぶ違いますね。
このお茶は蒸す時間を長めに取って作られました。
「深蒸し煎茶」と呼ばれたりもします。
出した後の葉はどうでしょう。

ややべっとりとした感じです。
このように最初に蒸す時間が違うだけで、お茶の水色が違ってきます。
深蒸し煎茶の場合は長く蒸すことにより、葉の細胞膜がくずれ、
中の成分が出やすくなります。そのため、細かい葉の微粉末が
お湯に出て、緑の濃いお茶になるのです。
水色だけではなく、味や香りについても違ってきます。
また、この蒸しの長さによって、蒸し度の段階がいくつもあり、
微妙に違う水色や味があります。
ちなみにこのお茶は釜炒り茶です。

釜で炒ったお茶で、なんとなく丸まった形になっています。
このお茶の水色は・・。

こんな感じで最初の煎茶よりもさらに薄い黄色です。
出した後の葉は・・。

葉っぱは大きめに残っています。
釜炒り茶の特色は釜炒り独特の香ばしさと、さらっとさっぱりした
飲みくちにあります。
ただし一般的にはどうしても緑色が濃いほうがお茶がおいしそうに
見えるという方が多いようです。特に上級茶では水色は緑が好まれます。
日本茶の場合、水色も評価基準の一つの要素になります。
お抹茶の色が緑ですから、日本人には「いいお茶は緑」という
イメージが強いのかも知れません。
ただし、水色は悪いけれど味がいい、ということも、ままあります。
そんな時こそお茶屋さんの出番です。
水色の良いお茶と水色は悪いけど味の良いお茶とをブレンド(合組)
して、味と水色の整ったバランスのいいお茶に仕上げるのです。
お茶屋さんは、只仕入れて、売っているだけではないのです。

人間が緑色だと、おいしくは感じない。
とくにオヤジの場合は、うとましくさえ感じる。

お湯の色が違うことがあります。

なぜだろうと思ったことはありませんか?
お茶のお湯の色が違うのは作りの違いによります。
どの部分が違うのでしょうか。
お茶を摘んできたら、熱を加えます。
方法は蒸気で蒸したり、釜で炒ったりします。
蒸気で蒸したら「煎茶」や「玉緑茶」「玉露」などのお茶になります。
現在、ほとんどの日本茶は蒸して作られます。
それに対して釜で炒るお茶が「釜炒り茶」です。
蒸して作るお茶に対してかなり少数派です。
出した時のお湯の色の違いは、第一にこの熱の加え方によって
違ってきます。(他の要素が入る場合もあります)
お湯の色のことを私たち茶業者は水色(すいしょく)と呼んでいます。
最初に蒸す時間の違いによってお茶の形と水色がずいぶん違ってきます。
このお茶は蒸す時間を短めにして作られた煎茶です。

形がしっかりとして、見た目も触れた時も固い感じです。
このお茶を出した時の水色はこのようになります。

やや黄色味が強い色ですね。緑色はあまり感じません。
お茶を出した後のお茶の葉です。
きれいに形が残っています。

それではこのお茶はどうでしょう。
同じ煎茶です。葉の細かい部分が多いように見られます。

このお茶を出してみると・・。

ずいぶんと緑が濃く出ます。さきほどのお茶とだいぶ違いますね。
このお茶は蒸す時間を長めに取って作られました。
「深蒸し煎茶」と呼ばれたりもします。
出した後の葉はどうでしょう。

ややべっとりとした感じです。
このように最初に蒸す時間が違うだけで、お茶の水色が違ってきます。
深蒸し煎茶の場合は長く蒸すことにより、葉の細胞膜がくずれ、
中の成分が出やすくなります。そのため、細かい葉の微粉末が
お湯に出て、緑の濃いお茶になるのです。
水色だけではなく、味や香りについても違ってきます。
また、この蒸しの長さによって、蒸し度の段階がいくつもあり、
微妙に違う水色や味があります。
ちなみにこのお茶は釜炒り茶です。

釜で炒ったお茶で、なんとなく丸まった形になっています。
このお茶の水色は・・。

こんな感じで最初の煎茶よりもさらに薄い黄色です。
出した後の葉は・・。

葉っぱは大きめに残っています。
釜炒り茶の特色は釜炒り独特の香ばしさと、さらっとさっぱりした
飲みくちにあります。
ただし一般的にはどうしても緑色が濃いほうがお茶がおいしそうに
見えるという方が多いようです。特に上級茶では水色は緑が好まれます。
日本茶の場合、水色も評価基準の一つの要素になります。
お抹茶の色が緑ですから、日本人には「いいお茶は緑」という
イメージが強いのかも知れません。
ただし、水色は悪いけれど味がいい、ということも、ままあります。
そんな時こそお茶屋さんの出番です。
水色の良いお茶と水色は悪いけど味の良いお茶とをブレンド(合組)
して、味と水色の整ったバランスのいいお茶に仕上げるのです。
お茶屋さんは、只仕入れて、売っているだけではないのです。

人間が緑色だと、おいしくは感じない。
とくにオヤジの場合は、うとましくさえ感じる。

Posted by おちゃいち at 19:41│Comments(7)
│お茶について
この記事へのコメント
釜炒り茶、やっばり水色は黄色っぽい
ですねぇ。
よく中国緑茶を知らない人に
「このお茶は出がらし?」と言われて
目がテンになってしまってたのですが・・・。
そーかそーか、日本茶の水色は「緑色」が
好まれるから、中国茶の水色が「出がらし」
に見られるんですね。納得。
ですねぇ。
よく中国緑茶を知らない人に
「このお茶は出がらし?」と言われて
目がテンになってしまってたのですが・・・。
そーかそーか、日本茶の水色は「緑色」が
好まれるから、中国茶の水色が「出がらし」
に見られるんですね。納得。
Posted by 「ブラン」
at 2008年12月13日 22:29

ブラン様
日本茶では水色を重んじる傾向が強いということでしょうね。
実は水色も味も香りも良いというお茶は単品ではなかなかないのです。
ですから日本茶の場合ブレンドします。
水色を気にしない人が増えたら、日本茶のバラエティは
もう少し豊かになるかも知れません。
日本茶では水色を重んじる傾向が強いということでしょうね。
実は水色も味も香りも良いというお茶は単品ではなかなかないのです。
ですから日本茶の場合ブレンドします。
水色を気にしない人が増えたら、日本茶のバラエティは
もう少し豊かになるかも知れません。
Posted by おちゃいち at 2008年12月14日 08:54
ブレンド!なるほどぉ~~。
日本茶はこれまで、食事のときに何気なく
飲んでいただけでしたが、美味しいお茶が
頂けるのは、日本でもお茶屋さんの力
あってこそ、なんですよね。
(中国も然りです。)
日本茶では水色が重要ということも
初めて知りました。我々の世界でも
重要視しますが、ポイントがやっぱり
違うんですねぇ。
中国茶の世界では、釜炒り茶好きが
多いのが、ポイントが違う何よりの証拠
でしょうか(笑)。
(香りを重視する人種なので・・・)
日本茶はこれまで、食事のときに何気なく
飲んでいただけでしたが、美味しいお茶が
頂けるのは、日本でもお茶屋さんの力
あってこそ、なんですよね。
(中国も然りです。)
日本茶では水色が重要ということも
初めて知りました。我々の世界でも
重要視しますが、ポイントがやっぱり
違うんですねぇ。
中国茶の世界では、釜炒り茶好きが
多いのが、ポイントが違う何よりの証拠
でしょうか(笑)。
(香りを重視する人種なので・・・)
Posted by 「ブラン」
at 2008年12月14日 14:08

お茶がますます魅力的になりました。
美味しいお茶の陰にお茶やさんの力添えがあったのですね。
美味しいお茶の陰にお茶やさんの力添えがあったのですね。
Posted by かすみそう
at 2008年12月14日 20:33

ブラン様
ポイントを変えるというのはいいことかも知れませんね。
言い換えれば視点を変えるということでしょうか。
さくらそう様
他の物もそうかも知れませんが、いろんな組み合わせで
良くも、あるいは場合によっては悪くもなります。
以外とムズカシイものです。
ポイントを変えるというのはいいことかも知れませんね。
言い換えれば視点を変えるということでしょうか。
さくらそう様
他の物もそうかも知れませんが、いろんな組み合わせで
良くも、あるいは場合によっては悪くもなります。
以外とムズカシイものです。
Posted by おちゃいち at 2008年12月14日 21:27
あっ、上のコメント言葉が足りませんでした。
「中国茶の世界では、日本の釜炒り茶好き」
が正しいです。・・・だって、中国茶は大半が
釜炒りですから(汗)。
いや~、ブログだけじゃ足りん。
来年はぜひ、我々に「日本茶」の世界を
ご教授くださいませ(m_ _m)。
「中国茶の世界では、日本の釜炒り茶好き」
が正しいです。・・・だって、中国茶は大半が
釜炒りですから(汗)。
いや~、ブログだけじゃ足りん。
来年はぜひ、我々に「日本茶」の世界を
ご教授くださいませ(m_ _m)。
Posted by 「ブラン」
at 2008年12月14日 22:26

そうですね。
こちらこそ、色々教えてください。
こちらこそ、色々教えてください。
Posted by おちゃいち at 2008年12月15日 08:39