2008年11月06日

お茶の来た道2「養生の仙薬」

昨日に引き続き「お茶の来た道part2」です。

日本にはお茶は始めからあったのでしょうか、それとも
伝来されたのでしょうか。

お茶の来た道2「養生の仙薬」

これには色々な説があります。1900年代の初めの方、つまり
戦前には日本にもともと固有の茶の木があったとする説が
有力でした。
しかし最近になるにつれて、DNA鑑定などが進み、中国など
からの渡来植物であるという説が主力になってきました。

ではいつ頃日本に来たのでしょうか。
これは日本と中国との往来の歴史とも重なります。だから
この時である、という特定は出来ませんが、隋や唐へ仏教の
勉強をしにいった僧達によって日本に持ち帰られたようです。

お茶の来た道2「養生の仙薬」
(最初にもたらされたお茶は茶葉を餅のように固めた「餅茶」(へいちゃ)
であると言われています。これを細かくすりつぶし抹茶のようにたてて
飲んだようです)

中国から仏教とともに茶および喫茶の習慣を持ち込んだ代表的な
僧に『永忠』『空海』『最澄』などがいます。
主に禅宗の開祖などになった僧達です。これは茶自体が薬として
も捉えられたことにも関係します。
禅宗のつらい修行での眠気防止などの実用性も重宝されたのでしょう。

お茶の広がりに重要な役割を果たしたのは鎌倉時代の僧『栄西』
です。栄西は宋から帰り臨済宗を開くのですが、お茶についての
造詣も深く、「喫茶養生記」という茶に関する書物を著します。

お茶の来た道2「養生の仙薬」
(栄西)

この書物では「茶は養生の仙薬なり、延齢の妙術なり」という
書き出しで、お茶の健康効能面での効果を説いています。
この書の影響でお茶は公家や武士の間で急速に広まっていきます。

ちなみにこの栄西がもたらしたのは抹茶法による喫茶の習慣です。
ここから戦国大名たちによる茶の湯の隆盛につながっていきます。
それは次回にて・・。


お茶の来た道2「養生の仙薬」
いつの時代の人もお茶でほっこり。



お茶の来た道2「養生の仙薬」



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Posted by おちゃいち at 21:35│Comments(5)お茶の歴史
この記事へのコメント
おじゃましてます。

大変勉強になり、面白く見させていただいております。
Posted by 洋服屋洋服屋 at 2008年11月07日 11:38
洋服屋 様

ありがとうございます。
歴史シリーズは何日か連続で続けたいと思います。
(途切れると、自分も忘れるから・・)
Posted by おちゃいち at 2008年11月07日 14:13
こんにちわ~^^
さっき、テレビタミンを拝見して
気になっちゃったので遊びに来ました!!!
お茶屋さんだと、お茶のことも
色々勉強されるのですね。(ノ´∀`*)
↑すごく勉強になりました~^^

またおじゃましますね~^^
頑張ってください!!!
Posted by みさ at 2008年11月07日 18:37
テレビタミン見ました~
いゃ~取材慣れされてますね。笑顔でお話しされているのが
素晴らしかったです。

熊本の商店街がブログで元気になるよう願っています。
Posted by 餅屋4代目餅屋4代目 at 2008年11月07日 18:48
みさ様
ありがとうございます!

自分も頑張ります、みささんも頑張ってください。

餅屋4代目様

先輩のお励ましありがとうございますm(__)m
本当に商店街が元気になればいいですね。
Posted by おちゃいち at 2008年11月08日 11:14
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