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Posted by おてもやん at

2008年10月30日

お茶の冷蔵

茶店ではお茶をどのように保存しているか知っていらっしゃいますか。

昔は木の茶箱にそのまま入れて保存していました。
冷蔵倉庫などない昔の話しです。
50~60kgはありそうな大きな茶箱をいくつも積み重ねて置くわけです。
そのための倉を作ったりもしました。

下の写真はディスプレイ用の小さな茶箱です。



15年くらい前までは「衣装保管に使うから、古い茶箱ないですか」と
聞かれることもあったのですが、最近はホームセンターなどにある
プラスチックの衣装ケースが軽くて、安くなったので、茶箱を聞かれる
こともなくなりました。
昔の茶箱は内側にブリキが貼ってあり、防湿性にすぐれていました。

しかし、どんなに防湿性がすぐれていると言っても、やはり中には
空気が入っています。酸化があります。お茶にとって酸化は、
味、香りが変わる元なのです。

だから昔のお茶は季節と共に風味が変わってきました。
基本的には古茶臭といって、すねたような臭いに変化していくのですが、
ある時期だけには熟成臭というか、ぷーんと香りたつようになる
時期があるのです。その時期がちょうど夏から秋にかけてでした。
でした、というのは、今はもうそのような保存はしないからです。

今はアルミの包材にいれて、空気を抜いて、ダンボール箱に入れ、
さらにそれを冷蔵倉庫で保存します。
酸化による製品劣化を防ぐためです。
新茶の時の新鮮さを失わないようにです。
基本的には劣化はありませんが、お茶自体に含まれている酸素の影響で
少しの変化はあります。
新茶時に渋かったお茶が年を越して飲んでみると、マイルドに変わる
こともたまにあります。


(これは当店の冷蔵倉庫の中、これは狭いほうです)

マイナス20℃くらいの冷凍で保存する倉庫もあり、そのように保存
されたお茶はまったくと言っていいほど変化しません。


(一度扉を開けたから12℃まであがってしまいました。いつもは8℃くらい)

だから乾燥製品でもあるお茶は、真空パックされた大袋を、さらに
100gとか200g袋に詰め替え、その時点で賞味期限を打ちます。

このように保存技術が進むと品質が良いまま維持できるので、
素晴らしいことには間違いありません。
しかし一つ欠点が・・それは、昔は季節とともに酸化が進み
丸一年目には古茶臭のピークを迎えちょうどその時、新茶の
なんとも言えない新鮮な香りをかぐのです。
新茶のおいしさが本当に身にしみたと思います。

でも新鮮なまま保存できる現代では新茶のインパクトは昔ほどない、
といってもいいでしょう。
一年中均一な品質のお茶が飲める今と、時と共に劣化していくお茶を
飲んでいた昔。でも新茶には真の感動があった昔。

さあ、どっちがいいのでしょう。






うるさいやつは冷凍保存しておくにかぎる。







  


Posted by おちゃいち at 22:02Comments(0)お茶について